お買い得情報に強い男

「ティシューペイパーが5箱で225円? これで『特価』?  高いなあ」

「静かに! お店の前で大声で言わないの」


声を抑えて言ったつもりだが、妻にはそう聞こえたのだろうか。 耳が良いのも困ったものだ。


「でも、高いよ」


「わかってるけど、ここで言わないで。お店に迷惑でしょう?」


「でもさ」と言いかけたとき、若い女がそのティシューペイパーを 手にして会計に向かっていった。


その薬屋は、我が家から歩いて3分。

もっとも便利な店なのだが、僕たちは買ったことがない。

高いからだ。


ティシューペイパーがよい例で、駅前の薬屋なら常時198円、 安売りのときは188円。

およそ200円の商品で差額が20円を超える、つまり、10%以上も 違うのでは、買う気が失せてしまう。

ここから駅までは、歩いて15分。

自転車を使えば5分とかからない。


ところが、こんなに値段が高いのに、この店には客が来る。

と言っても、ほとんどは、近くの古い団地に住む年寄りばかりだが。

彼らにとって、駅まで行かなくとも用が足せるのは助かる。

駅前は平日の昼間でも人が多い。

通行人にぶつかって怪我をするかもしれないと考えれば、 20~30円の差など気になるまい。


だが、足腰が丈夫そうに見える人まで、この薬屋で買い物を しているのは不思議だ。

何も、ティシューペイパーを買うためにだけ駅まで行けと 言っているのではない。

駅前には店も多いから、いろいろな買い物もついでにすれば 節約にもなると思うのだが、そうは考えないのか?


さっきの女が手にしているのは、駅前より10%以上も高い ティシューペイパー。


「あの娘(こ)を止めてこようかな」


「なんで?」


「この店は高いよ、って」


「痴漢と間違えられるから、やめなさいよ!」


もなか 記


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