猫のやきもち

月の輪に会いに行くと、代わりに見知らぬがいた。
全身真っ黒。


月の輪のように喉(のど)に模様があるわけでもなし、
白足袋でもなし。
漆黒のなんだね。 
こちらが近づくと、距離を取る。

初めての相手に警戒するのは動物の本能。
こういうときは無理をせず、向こうから近づいてくるのを
待つのがよい。
その場にしゃがんでいよう。

3分ほどそうしていると、真っ黒猫が近づいてきた。
こちらに興味を覚えたのだろうか。
餌をくれると思ったのだろうか。

しかし、だからといって警戒を解いたわけではない。
2メートル先で足を止め、座った。
こちらの様子をうかがっている。
にとって人間は大型動物だ。
危険な相手と思うのもわかる。
もう少し待ってみようか。

 
月の輪ねことまっくろねこ

すると、上手(かみて)から月の輪猫が現れた。
気配を消したまま近づいてきたのでびっくりだ。
僕に身体を摺(す)り寄せながら、目は真っ黒猫を見ている。


そして、しゃがんでいる僕の脚に何度もまとわりつくと、
真っ黒猫の方に歩いて行き、突然右足を振り上げた。
大きな猫に突然攻撃された真っ黒猫は慌(あわ)てて
逃げ出し、10メートルも向こうに行ってしまった。


他の猫がいなくなって安心したのか、月の輪猫はいつもの
ように腹を見せて、撫(な)でてくれと催促する。 
ついでに背中も撫でてやる。
右も左も。
満足そうだ。 


「あらー、おじさんを独り占めできてよかったわね」と妻。
真っ黒猫がかわいそうじゃないか」
「月の輪猫はメスだから嫉妬深いのよ」
性別は関係ないだろ」
女の方が嫉妬深いんじゃないの?」 


人間はそうかもしれないが、猫もそうだなんて誰が言っているんだ?


もなか 記

 


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